夢の欠片
ここまで来たのにどうしよう。


私は少し離れた場所にある花壇の縁に腰かけて、エントランスに続く入り口を見つめる。


健が出てくるのを待とうかとも思ったけれど、冷静に考えたら今の時間、おそらく健は仕事だ。


はぁ……と大きくため息をついて、私は途方に暮れる。


しばらくそうしていると、勢いよくお腹が鳴った。


携帯を出して時間を確認すると、もうすでに12時を過ぎている。


お腹空いたなぁ……


辺りを見回して、何か食べ物が売ってるところはないか探してみた。


道路を挟んだ向こう側にコンビニが見える。


とりあえず腹ごしらえをしとこうと、コンビニに向かって歩き出した。


コンビニに入ると、涼しい風が体を包み込む。


ずっと外でマンションを見張っていたせいで、肌はすっかり赤くなってしまっていた。


紫外線てほんとはこんなに浴びちゃいけないんだろうな……とどうでもいいことを思う。


火照った体が冷えていく感覚に酔いしれながら、サンドイッチとミルクティーを買うことにした。

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