夢の欠片
そんな彼女の申し出に驚いたものの、内心チャンスかもしれないと思った。
あのマンションに入ることが出来れば、健の部屋を探せるんじゃないかと思ったからだ。
そんな思いを悟られないように気を付けながら、さっきの質問に答える。
「えぇっ、いいんですか?
私なんかがお邪魔しちゃっても……」
「いいのよ!じゃあ決まりね?行きましょう?」
彼女が歩き始めると、花純美と呼ばれた女の子は私の手に自分の手を絡ませてきた。
「お姉ちゃん!一緒に行こ?」
人懐っこい笑顔を見せて、嬉しそうに私を引っ張っていく。
お母さんはそんな私たちを優しそうな笑顔で見守りながら、マンションのエントランスへと向かった。
オートロックの鍵を開け、エレベーターに乗り込むと、彼女は12階のボタンを押す。
私はずっと花純美ちゃんと手を繋ぎながら、お母さんの指の動きを目で追った。
12階に到着して、長い廊下を歩いていくと、花純美ちゃんが私を見上げながら笑う。
「今日ね?お兄ちゃんは野球だけど、パパはお休みなんだよ?」
唐突にそう言われて、少しだけ驚いた。
あのマンションに入ることが出来れば、健の部屋を探せるんじゃないかと思ったからだ。
そんな思いを悟られないように気を付けながら、さっきの質問に答える。
「えぇっ、いいんですか?
私なんかがお邪魔しちゃっても……」
「いいのよ!じゃあ決まりね?行きましょう?」
彼女が歩き始めると、花純美と呼ばれた女の子は私の手に自分の手を絡ませてきた。
「お姉ちゃん!一緒に行こ?」
人懐っこい笑顔を見せて、嬉しそうに私を引っ張っていく。
お母さんはそんな私たちを優しそうな笑顔で見守りながら、マンションのエントランスへと向かった。
オートロックの鍵を開け、エレベーターに乗り込むと、彼女は12階のボタンを押す。
私はずっと花純美ちゃんと手を繋ぎながら、お母さんの指の動きを目で追った。
12階に到着して、長い廊下を歩いていくと、花純美ちゃんが私を見上げながら笑う。
「今日ね?お兄ちゃんは野球だけど、パパはお休みなんだよ?」
唐突にそう言われて、少しだけ驚いた。