夢の欠片
とりあえず学校に行って、出席率を稼ぐのが目的だったし、勉強なんかしなくても別にいいと思ってた。


先生たちも私が学校に来て、大人しく席に座っているだけで誉めてくれる。


だから宿題とかそういうのも期待されてない分野だと思っていた。


「別に私が宿題とかやるのなんて、みんな期待してないし……

むしろやってった方が驚きだから」


テーブルに頬杖をつきながら不満気にそう言うと、さっきまで扇風機の前から動かなかった翔吾が、急に振り向いて私を睨んだ。


「お前、ふざけんなよ?

だったら驚かせてみろよ!

高校行きたいんじゃなかったのか?

そんな中途半端なやつ、どこも入れてくれねぇよ!」


いつもは優しい翔吾が、声を荒げて真剣に怒ってくれてる。


ビクッとして何も言えずにいると、それでもまだ言い足りないといった風に口を開いた。


「学校は勉強するとこなんだよ!

一度くらい一生懸命頑張って見ろよ!

自分は不幸だからって甘えてんのかもしんないけど、お前より不幸なやつなんか山程いんだよ!

それでもがんばって勉強してるやつだってたくさんいる

俺は自分が出来なかったから、お前にはちゃんと勉強して、高校行って、やりたいこと見つけてほしいんだ」


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