夢の欠片
「翔吾が、心配してくれてるのはよくわかった……

言ってることもその通りだと思うし、確かにそうした方が将来のためにはいいのかもしれない……

でもね?私はいまさらクラスメイトと仲良くプリ撮ったりとか、できないよ……

キラキラした女の子達の中に自分が入っていくってことが想像できない……

勉強は……確かに翔吾のいう通り、やった方がいいのはわかったよ?

でも翔吾が思う女子高生には、きっとなれないと思う……」


私の意見を黙って聞いていた翔吾は、真剣な表情をクシャっと崩して、悲しそうに瞳を揺らした。


「ひなの言うこともよくわかる

俺だってスーツをバリッと着こなしたサラリーマンの中に入っていけって言われたら、間違いなく拒否するよ?

だけどひなはまだ14歳で、これからいくらだって変われる

それに……」


そこまで言って翔吾は涙を堪えるように少しだけ上を向いて、それからもう一度私の顔に視線を戻すと続けて言った。


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