夢の欠片
「何も今すぐいっぺんにやれってことじゃないからな?

急に普通の女の子になれって言ったって無理に決まってる

気持ちがついていかないのもわかるし……

だから、今やれることを一生懸命やってほしいだけなんだ

そうすればきっと変われる

夢中になって何かを成し遂げれば、知らないうちに自分だけじゃなくて、周りも変わっていくはずだから……

俺は勉強しなかったこととか、高校行かなかったことを後悔はしてないけど、やっとけばもっと違う人生になったのかなぁって思うときもあるよ?

だけど今の人生も悪くないって思えるのは、仕事を一生懸命やってるからだと思う

頑張って仕事して、認められる喜びも知ってるし、疲れて帰った後の充実した気持ちも知ってる

ひなはさ、これからなんだよ……

これからそういうこと経験していくんだ

だから変な意地張って、将来の可能性を狭めることないと思うぜ?


俺の言ってる意味わかるかな?

あんまりうまく言えないけどさ……

結局は、ひなに幸せになってもらいたいってことかな?」


そう言い終わると、いつもの笑顔に戻って、私の頭をポンポンと叩く。


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