夢の欠片
「さぁ出来た!もう行っていいわよ?」


キッチンからそう花純美ちゃんに話しかける声が聞こえた。


どうやら絆創膏を貼り終えたらしい。


「やったぁ!」


そう言いながら、花純美ちゃんは元気に私の方に駆けてくる。


「お姉ちゃ~ん!!

ねぇねぇ!パパとお友達なの?」


座っている私の膝の上によじ登りながら花純美ちゃんはそう問いかけてくる。


私は何て説明したらいいのかわからなくて、健に助けを求めるように目配せをした。


健はわかったという返事の代わりに、花純美ちゃんの方を見ながら口を開く。


「パパのお友達の娘さんなんだよ?

まだお姉ちゃんが、花純美くらいの時に昔、会ったことがあるんだ」


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