夢の欠片
それに……あの男の子……


健太くんのことも聞いてみたい。


健は子供がいるのになぜさとみさんと別れたのかを……


「あの……健太くんのことなんだけど……

私と３つしか歳が違わないってことは、子供がいるのにさとみさんと別れたってこと？」


私のダイレクトな質問に、健は困ったような顔をして、さとみさんの方をチラリと見た。


それを受けたさとみさんが、健の代わりに口を開く。


「あの時、私は妊娠してたことを健には話してなかったの

もし子供がいるってわかったら私のところに残ってくれるのはわかってた……

でも、それ抜きで私を選んで欲しかったから……

だけど今考えたら、それは私のエゴだったのかもしれないわね？

結果的に健太にもひなちゃんにも辛い思いをさせちゃったんだから……

ごめんなさいね？」


さとみさんはそう言って私に頭を下げてくれた。


だけど私はそんなことよりも、子供がいるのに別れたわけじゃないってことがわかって嬉しかった。


やっぱり健はそんな人じゃなかった。



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