夢の欠片
なんだか愛の告白みたいで恥ずかしくなりながら、健の気持ちを確認できて私は満足だった。


いろんな大人の事情の中で、中田の父も健も、私を心から愛してくれていたことがわかる。


それだけで私は自分の生きている意味を見いだすことが出来た。


「私はひなちゃんとは会ったばっかりだけど、すごくいい子なんだってことはわかる

花純美のこと助けてくれたり、お手伝いしてくれたり、私たちのことを思って涙ぐんでくれたり……

だから私ももうひなちゃんのこと大好きになっちゃってるんだからね?」


そう言って笑うさとみさんのことが、私の方こそ大好きだと思う。


もうこの二人に心配かけるつもりは毛頭なかった。


自分の家のことは自分で解決しよう……


健達から元気をもらって、私は夏休みの課題だった問題を、全て綺麗にクリアした。


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