夢の欠片
「あ~あ……今日が最後かぁ……」
布団の中でまだゴロゴロしながら、私は翔吾にそう言った。
「朝からうるせぇぞ……
もっと寝かしてくれよ」
私がここにいる最後の日だからって、翔吾の仕事は都合よく休みにはならない。
それにどうやら翔吾は仕事に行くまで、もう少し寝ていたいらしい……
私は翔吾と過ごす最後の時間がもったいなくて、いつもよりも早く起きてしまっていた。
「だって、もう明日は私いないんだよ?
翔吾だって寂しいでしょ?」
「あぁ?別に寂しくねぇし……
明日から布団で寝れて嬉しいなぁ」
バシッ!!
「いってぇなぁ、何すんだよ!?」
私は思わず枕で翔吾の頭を叩いてしまった。
「だってぇ!翔吾が意地悪言うから……」
なんだか急に悲しくなって泣きそうになる。
翔吾はそんな私の髪をそっと撫でながら、優しく笑って言った。
「嘘だって……またすぐ泣く~
俺がいじめたみたいじゃん」