夢の欠片
やっぱり学校に来て良かったな……


校長先生の期待を裏切らずに、また再会できたことは自分自身にとっても嬉しいことだった。


学校の先生をこんなに信頼したのは初めてだったし、自分のことをさらけ出して話せる先生に出会えたのも初めてだった。


翔吾の言ってくれた「学校に行け」という言葉には、今ではすごく感謝している。


校長先生に出会えたのも、翔吾のおかげのような気がしていた。


あれから、母にも私は今まで言えなかったいろんなことを、夏休みが終わって家に帰ったあの日に全部ぶちまけた。


中田の父が言ってくれた「素直に話し合うこと」という言葉を思い出して、頑張って自分の気持ちを母に伝えた。


本当は話し合うというよりも、自分の言いたいことだけ言っただけだったけれど……


それでも母は泣きながら私に謝って、それから私がちゃんと帰ってきたことも喜んでくれた。


私が書いた書き置きも、きちんと読んで、通報せずにじっと待ってくれていたようだった。


母の事を全て許した訳じゃないけれど、ほんの少しだけ心がほっこりとしたのがわかった。


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