夢の欠片
それを受け取って私はやっと自分の成績を目にすることができた。


「4」が3つに「2」が2つ、後は全て「3」という評定に、少しだけ不満を感じる。


あんなに頑張って勉強して、テストだって平均点以上とっているのに「2」をつけられるのは心外だった。


数学と理科は確かに他の教科に比べたら、苦手な部類だけど、それなりに頑張ったのに……


「先生……

やっぱり私のことを、まだ認めてくれない先生もいるってことなんですかね?」


少なからずショックを受けて、担任の意見を聞いてみようと思った。


「そんなことないぞ?

「2」をつけた先生方だって、これからの藤森に期待をこめてるんだと思う

証拠にほら、細かいとこの評価はAとかもついてるだろ?」


先生はちょっぴり困った顔をしながら、それでも私を傷付けないように言葉を選んでくれてるのがわかる。


私は仕方なく理解したふりをして、小さく頷いた。



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