夢の欠片
これが恋ばなってやつなのかな?


友達の恋の話を聞くのも初めての経験だ。


なんだか自分のことみたいにドキドキする。


「萌ちゃん、気になる人がいるの?

見てみたいかも」


いつもは女子にも人気があるくらいカッコいい彼女が、頬を染めて誰かを思ってるなんて……


私の方がギャップで惚れてしまいそうだ。


「うちの近所の家が今、建て替えてるんだけどね?そこに来てる大工さんなの」


――大工?


まさか……ね?


一瞬、翔吾の顔が浮かんだけれど、すぐにそれを打ち消した。


「ひなは好きな人とかいないの?」


すぐに翔吾の顔が浮かんで、少しだけ迷ったけれど、萌ちゃんになら話してもいいかなと思う。


「いるよ?私の好きな人も大工さんなんだ」


えぇ!すごい偶然だね?なんて、萌ちゃんのテンションが上がっていく。


それからニヤリと笑って、内緒話をするみたいに耳元で囁いた。


「もしかして付き合ってるとか?」


そうだったらいいんだけどね?と苦笑しながら、翔吾との関係性を説明した。


「まだそこまでいってない……かな?

むこうは妹みたいに思ってるから」


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