夢の欠片
身長の高い萌ちゃんが、背の低い私に抱きつく姿は、まるで大きなぬいぐるみを抱えてるみたいだ。


私達は学校を出ると、そのまま萌ちゃんの家に向かった。


途中でコンビニに寄り、お菓子やスイーツ、それに飲み物を買う。


こんな風に友達の家に遊びに行くなんて初めてだったから、なんだか少しだけ緊張していた。


コンビニの袋をぶらさげながら、二人並んで笑い合いながら歩いているなんて、すごく不思議な気分になる。


でもそれがとても心地よくて、萌ちゃんと友達になれたことを本当に嬉しく思った。


「ひなはその人とどこで知り合ったの?」


自分も恋してるだけに、私のことにも興味津々だ。


「中学生の時に、危ないところを助けてもらったの

それからお兄ちゃんみたいに私を心配してくれてね?

しばらくして自分が彼に恋してることに気がついて……

でも、その人は私を妹としか見てくれなかった……

だからね?

もっともっといい女になって、女として見てもらいたいって思ってるんだぁ

だからそれまでは会わないって決めてるの

もう二年くらい会ってないけど、私の気持ちは変わらない」


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