夢の欠片
********
さっきはごめんね?
ひなには嫌な思いさせちゃったね?
私は大丈夫だから、ひなは気にしないで彼と仲良くしてね?
二年ぶりなんだよね?
せっかくの再会を邪魔しちゃってごめん……
明日になればきっと笑っておはようって言えるから、今日だけは許してね?
誘っておいて置き去りにしちゃってごめんなさい
*******
私は胸をギュウッと締め付けられたように苦しくなる。
萌ちゃんは自分だって傷付いたはずなのに、私のことを気遣ってくれていた。
私はいくら萌ちゃんでも、翔吾を譲る気持ちにはなれなかったのに……
ようやく翔吾のアパートについた頃には、もう6時をすぎていた。
懐かしいこのボロアパートに再び来ることが出来るなんて……
ガチャっと鍵を開けて部屋に入ると、翔吾の匂いに包まれる。
二年前と全然変わらない空間に、一緒に暮らしたあの時のことが、一瞬にして頭の中に甦った。
翔吾が貸してくれた一組しかない布団……
一緒にご飯を食べたテーブル……
いつも翔吾が寄りかかってビールを飲んでいた窓の縁……
何もかもが懐かしい。
ふと畳に触れてみると何だかザラザラしていた。
さっきはごめんね?
ひなには嫌な思いさせちゃったね?
私は大丈夫だから、ひなは気にしないで彼と仲良くしてね?
二年ぶりなんだよね?
せっかくの再会を邪魔しちゃってごめん……
明日になればきっと笑っておはようって言えるから、今日だけは許してね?
誘っておいて置き去りにしちゃってごめんなさい
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私は胸をギュウッと締め付けられたように苦しくなる。
萌ちゃんは自分だって傷付いたはずなのに、私のことを気遣ってくれていた。
私はいくら萌ちゃんでも、翔吾を譲る気持ちにはなれなかったのに……
ようやく翔吾のアパートについた頃には、もう6時をすぎていた。
懐かしいこのボロアパートに再び来ることが出来るなんて……
ガチャっと鍵を開けて部屋に入ると、翔吾の匂いに包まれる。
二年前と全然変わらない空間に、一緒に暮らしたあの時のことが、一瞬にして頭の中に甦った。
翔吾が貸してくれた一組しかない布団……
一緒にご飯を食べたテーブル……
いつも翔吾が寄りかかってビールを飲んでいた窓の縁……
何もかもが懐かしい。
ふと畳に触れてみると何だかザラザラしていた。