夢の欠片
今日は翔吾の二十歳の誕生日。
私はファーストフードのバイトをして、翔吾にプレゼントを用意していた。
あれから私たちはたまに会ってご飯を食べたりはするけれど、まだ付き合ってる訳じゃない。
翔吾がまだまだお兄さん風を吹かせてくるせいもあって、たまにふざけて私をからかうことはあっても、まったくそんな雰囲気にはならないのだ。
今日こそいい機会だから、自分の気持ちを伝えて彼女にしてもらうんだ……
そんな決意を胸に、私はプレゼントを持って翔吾の家に向かっている。
私は無事に進級して、高校二年生になっていた。
萌ちゃんともまた同じクラスになって、以前と変わらずいい関係が続いている。
翔吾のことも今では一番応援してくれていて、私がいつまでも自分の気持ちを伝えないことにイライラしているみたいだ。
「早く言っちゃいなよ!
いつまで妹のポストで我慢してんのよ」
「だって……
もし拒否されたら傍にいられなくなっちゃうかもしれないと思うと怖くて……」