夢の欠片
私は安心したのと同時に、さっきの恐怖を思い出して体がガタガタと震え出す。


そんな私の思いを感じ取ったのか、金髪の彼は優しく抱き止めてくれていた腕に力をこめて、ギュッと抱き締めてくれた。


まるで、大丈夫だよ?って言ってくれてるみたいに……


しばらくそうしてくれていたおかげで、私の震えも治まり、少しだけ気持ちも落ち着いてきた。


抱いてくれている彼を腕の中からそっと見上げると、心配そうに私を覗きこむ顔がそこにあった。


彼と目が合ってしまうと、私は急に恥ずかしくなって慌てて下を向く。


そんな私に、彼の呆れたような声が降ってくる。


「お前……中学生だろ?

こんな時間に何やってんだ?」


急にそんな風に叱られて、ビクッと体がすくんだ。


助けてくれたっていっても、よく考えたら見た目も派手だし怖い人だったらどうしようと、身を固くする。


そんな私を見て、彼は急にニカッと笑って安心させるように自己紹介してくれた。



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