夢の欠片
クラスメイトはそんな私の変化を遠巻きに眺めながら、相変わらず誰も近付こうとはしない。


おかげで私は誰からも干渉されず、自分だけの空間を保持して、ゆっくりと過ごすことが出来た。


授業の度に先生から送られる驚いたような視線にも、あえて気づかないふりをして、一人だけの時間を過ごす。


時にはボッーと外を眺めたり、時には日だまりの心地よさにまどろみながら……


私は今まで張っていた意地のようなものが、ゆっくりと溶けていくような気がしていた。


なんだ、学校ってこんなに居心地良かったっけ？


髪の毛や化粧さえ直せば、誰にも邪魔されずに自分の居場所を確保出来るんだと、新たな発見をしたような気分になる。


前にいじめられてた時とも違う。


不思議な、誰にも邪魔されない私だけの空間。


これなら毎日来てもいいかな？


私はそんなことまで思えるようになっていた。


『学校は行っとけ？』


翔吾の声が聞こえたような気がする。


さらに背中を押してもらえたような気がして、自分の考えが間違っていないことを確信した。


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