夢の欠片
もうすぐ梅雨がやってくる。
そのためか湿気も多くて、じっとりとした汗が身体中にまとわりついてきた。
教室にはエアコンがあるため快適だったのに比べ、外は蒸し風呂のように暑い。
帰ったらシャワーでも浴びよう。
家までの道程を制服にパタパタと空気を送って歩きながらそう思った。
ようやく家に着いて、鍵のかかっていないドアを開けると、すぐさま自分の部屋に向かう。
母がいるようになってから、自分の鍵は全くといっていいほど使わなくなっていた。
「ひな?帰ったの?」
母が心配そうな声で、私が帰ったのかを確認するように居間から声をかけてくる。
「うん……ただいま」
とりあえず挨拶だけすると、母はわざわざ居間から私の部屋の前までやって来て「おかえり」とにこやかに言った。
「買い物に行ってくるけど、何か食べたいものとかある?」
今さら何を母親ぶってるのかと言いたいのを抑えて、とりあえず頭に浮かんだものを口にする。
「グラタン……かな?」
そのためか湿気も多くて、じっとりとした汗が身体中にまとわりついてきた。
教室にはエアコンがあるため快適だったのに比べ、外は蒸し風呂のように暑い。
帰ったらシャワーでも浴びよう。
家までの道程を制服にパタパタと空気を送って歩きながらそう思った。
ようやく家に着いて、鍵のかかっていないドアを開けると、すぐさま自分の部屋に向かう。
母がいるようになってから、自分の鍵は全くといっていいほど使わなくなっていた。
「ひな?帰ったの?」
母が心配そうな声で、私が帰ったのかを確認するように居間から声をかけてくる。
「うん……ただいま」
とりあえず挨拶だけすると、母はわざわざ居間から私の部屋の前までやって来て「おかえり」とにこやかに言った。
「買い物に行ってくるけど、何か食べたいものとかある?」
今さら何を母親ぶってるのかと言いたいのを抑えて、とりあえず頭に浮かんだものを口にする。
「グラタン……かな?」