夢の欠片
それってどういうことなんだろう?


大多数の大人はそう思っているけれど、校長は違うってことなんだろうか?


でも確かにさっき私の意見を、そうだと思ってたって言ってくれた。


てことは……私が一人でいる意味をわかってくれてるってことなのかな?


校長の言わんとしていることを、いまいち理解出来なくて、私は黙ったまま彼を見つめた。


私が戸惑っていることを察したのか、校長はさらに言葉を重ねる。


「私はね……

もちろん友達もいて、楽しく学校生活を送ってくれたら、それはそれでいいと思うんだ

だけど……中にはそうじゃない子もいるかもしれない

例えば本当は一人になんかなりたくなくて、友達が欲しいのになかなか積極的になれない子がいたとする

そんな子には、さっき言ったみたいな心配はしてあげていいと思うんだ

だけど、君は違うよね?」


私の目を覗き込むように静かに問いかける彼は、問いかけてるくせに確信を持って言ってるように見える。


私が黙って頷くと、校長はさらに続けて言った。

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