夢の欠片
そんな彼女から声をかけてもらえたことが嬉しくて、私は翔吾の腕を引っ張りながら舞さんの元へと行こうとした。


だけど翔吾は気まずそうに、そっと自分の腕から私の手を離す。


あれ?どうしたんだろう?


そう思いながら、翔吾の顔を見上げると、彼はニカッと笑って今度は私の頭を優しく撫でた。


「俺……ちょっと用事あるから……

またな!ひな」


バイバイと手を振りながら、翔吾は足早にその場を後にした。


そんな翔吾の後ろ姿をボーッと眺めながら突っ立っていた私に、1つ上の美樹ちゃんが声をかけてくる。


「ひな!早くこっちおいで」


ハッと我に返ると、翔吾が行ってしまった寂しさを隠して、彼女達のグループの輪に加えてもらう。


「翔吾、どうしたんだろう?

いつもは一緒に来るのに……」


思ったままを口に出すと、美樹ちゃんが、驚いたような顔で私を見る。


「ひな、知らないの?

翔吾、舞さんに告って振られたんだよ?」


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