夢の欠片
頬杖をつきながら、当たり前みたいに言った美樹ちゃんに、舞さんがたしなめるように口を挟んだ。


「美樹!余計なこと言うんじゃないよ!」


叱られて小さくなっている美樹ちゃんを尻目に、私は少なからずショックを受けていた。


翔吾は舞さんが好きだったんだ……


確かに舞さんは綺麗だしスタイルだって抜群にいい。


女の私から見たって素敵だって思える。


だけど……なんだろう?


このモヤモヤした気持ちは……


「ひな、ちょっとこっちおいで?」


舞さんが私を呼んだ。


立ち上がって舞さんの隣に腰掛ける。


舞さんは私の耳元に唇を寄せると、そっと囁いた。


「さっきの……美樹が言ったこと、気にしなくていいからね?

翔吾も今は私と顔合わすの気まずいと思ってるかもしれないけど、またそのうちいつもみたいに戻ってくるから」


やさしくそう言われて、私はびっくりして舞さんの顔をまじまじと見る。


なんで私にそんなこと……?


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