夢の欠片
――えっ?


何……言ってるの?


美樹ちゃんが死んだって……


何で!!


あまりの衝撃に泣くことも忘れて呆然としながら、ただただ震えが止まらなかった。


翔吾はそんな私を抱き抱えるようにして背中を擦ってくれる。


そしてその姿勢のまま、静かに話し出した。


「俺らと敵対してたグループがあったろ?

なるべくそいつらの縄張りには行かないように……女の子は特にそう注意してたはずだ」


私は自分がまだあの場所にみんなで一緒にいた頃を思い出した。


確かに翔吾達にはそう言われていたし、なるべく舞さん達と団体で行動するようにしてたのを思い出す。


「美樹が……そいつらのグループの一人を好きになったみたいで……

そいつに誘われてあいつらの縄張りに行ったらしいんだ……」


翔吾はそこまで言うと、悔しそうに唇を噛む。


「そしたら……それはそいつの罠で……

美樹は、そいつの仲間全員に……輪姦されたんだ……」


う……そ……


そんな……ひどい!


美樹ちゃんはまだ15歳で……


私と同じでまだ………経験もなかったはずだ。


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