もう、ひとりにしない。
「あんたに、とやかく言われる筋合いはないわよ!あたしだって今日からここで勉強する人間のひとりなんだから!あんただってそんなちゃらちゃらした」
そう言った刹那、片手であたしのあごをつかんで、
「それ以上言ったら、殺すぞ?おまえ」
、、、、そう言う彼の緑色の目は異様なほど冷たく、そして一種の蔑みの色を浮かべてあたしを見据えた。
息も止まるかと思ったその一瞬は、彼が乱暴に離した手によって元のように戻り始めたけれど、あたしの体の震えは止まらなかった。
去り際、
「これだから、特権階級はいやなんだよな。」
そう言い、早くも、人混みの中に姿を消してしまっていた。