もう、ひとりにしない。
「あなた、あの男の知り合いなの?」
と、半ば胡散臭く聞けば、
「まあね、それより俺はヒュー・ロイド。クラスは今見たらAだったけど君は?」
「あたしはエリーヌ・ヴィコント。あたしもAクラス、なら一緒ね。」
初めて訪れた場所で、こんなにたくさんの人が居る中で、初めてまともに声を掛けてくれた人、それがヒューだった。
話しをしながら、互いのクラスを探しに歩いた。
「でも、君知っていた?ここはものすごく女の子の募集数が少なかったんだよね。」
たしかに男子の3分の1もなかったような気はした。
普通に考えればおそらく一クラスに10人程度しか割り振られないんじゃないか、と思う。
つらつら考えていると、自分達のクラスに着いた。
足を踏み入れた途端、
「きゃー!!やっときた!これで全員揃ったわ!」
と女の子たちに抱きつかんばかりの歓迎をされた。