もう、ひとりにしない。





それぞれが矢継ぎ早に自己紹介をしてくれて、最後にあたしが自己紹介すると、あたしが20歳だということに非常に驚かれてしまった。

「じゃあ、あなたが例の特待生なの?」

と、サマンサが聞いてきた。

「いいえ、あたしは日本でスキップしただけで、一般入学者よ。」




、、、、、そうか、特待生というのもあるのか。



「今年は今までで一番入学者が多いらしいんだけど、今年の首席はその特待生なんだって。なんでもその特待生が20歳だって聞いたから、てっきりあなたかと思って。」



、、、、実は今回の合格通知にはそれぞれの順位が記されてあり、あたしは3位だった。

上に二人いたって、たいして気には留めず今日まで来たのだけれど、あたしと同い年というのを聞いてぴくりとした。

誰なんだろう。

気になる。

この大学も他の大学と同様、能力順でのクラス編成で、このクラスにその人がいるということだ。

クラスをさっと見回してみる。

誰なんだろう。





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