もう、ひとりにしない。
ここの大学のホステルはルームシェアリング制で5つのコンパーメントがある5人用の部屋だった。
この部屋はクラスAの女子が使用している。
センターにあるソファにそれぞれが座って今日のことを思い出してきゃあきゃあ話していた。
「うちのクラスって結構いい男が多そうだよね。」
とグレイス。
「そんなのまだわかんないわよ、ろくに話もしていないんだし。」
とジェイン。
「同感。それにうちのクラスは頭がいいやつばっかりだから、気が抜けないよ。」
とドナ。
「それより、首席ってやっぱり」
と聞いてきたサマンサに、
「うん、やっぱりあの男だった。」
とあたしが返す。
「人は見かけによらない、というけれどほんと驚きよねぇ。聞いたところだと、彼、過去最高の特待生らしいよ。」
サマンサの声にみんなが聞き入る。
「マークはオールクリア。インタビューも満点だったって聞いてる。何より、教授たちがすごく目を掛けているって。」
、、、、いったい、どんな人なんだろうか、ソニーって。
彼の態度は癪にさわるけれど、気にしないわけにはいかない要素がたくさんあった。
こうして、波乱含みの学校生活は幕を開けた。