もう、ひとりにしない。






室内に更に準備室のドアがありそこの鍵も開ける。

荷物をロッカーへ仕舞い、準備室へと入る。

「リスト、見せて。」

とソニーが言うので見せると、ちゃっちゃっと用具を出してゆく。

ああ、そうだ。

さっきのホットドッグのお金払わなきゃ。

「ソニー。さっきはありがとう、はい、これ。」

と代金を彼に渡した。

ぶっきら棒に受け取った彼は準備を始めている。

慣れているな、そう思いながら、顕微鏡を出そうと踏み台に足を掛けた。

「顕微鏡なんか俺が出すから、あんたビーカー洗ってよ、なんかあんまりきれいじゃないから。」

「でも、」

「時間がないんだ、はやくしろ。」

有無を言わせないその言葉に素直に従うしかない。

どうやら、彼のほうが数段経験が上のような気がする。





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