もう、ひとりにしない。





「まあまあ。まだそんな焦んなくてもいいんじゃない?」

とサマンサが言う。

「でも、結構エリーのこと気に掛けている人、いるみたいよ。噂で聞いたけど。」

とドナ。

「あー、でも、一番気に掛けていそうなのはやっぱりあいつでしょ?ソニー・ストレイバー。」

とグレイスが言ってきたので、慌てて首を振った。

「ちょっ!何言ってんのよっ?!絶対ありえない!ソニーと何かあるなんて絶対にありえないからねっ!」

と睨みまわす。

「いや、でもさぁ。あんだけ絡まれていたら、普通は脈ありだって思うわよ?誰だって。」

グレイスが更に突っ込んでくる。

「どこをどう見たらそんなことが言えるわけよっ?!だいたいねぇっ!」

そう言って、ありとあらゆる抗議の言葉を吐き出して、はあはあと肩で息をしているあたしを見て、グレイスはニヤニヤと笑っている。

他のみんなもニタニタ笑ってあたしを見ている。

「あとは、本人同士が気付くだけなんだけどねぇ。」

とドナがダメ押しで言ってくるので、あんまり頭に来たあたしはドナに思いっきりクッションを投げつけてやった。





< 125 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop