もう、ひとりにしない。
部屋へ帰ると帰りが遅いあたしを心配していたルームメイトがあたしの顔を見た瞬間、
「何があったの?!」
と一斉に叫んだ。
それもそのはずで、涙で崩れた顔のまま帰ってきたのだから、言われて当然だった。
心配をかけたことには素直に悪いと思って仕方なくソファに腰掛けて、さっきの一部始終を話して聞かせた。
「信じらんないっ!何?あの男。」
とグレイスがつぶやく。
実は彼女はあの手の男を毛嫌いしていて、話題に上がれば必ず文句をたれていた。
「でもさぁ、」
クッションを弄んでいたドナが、
「なんで、ソニーってそこまでエリーにちょっかい出してくるのかしらねぇ。嫌いなら関わらないほうが疲れないと思うけどね。」
それを聞いていたサマンサはクスクス笑いながら、
「、、、、案外好きの裏返しかもよ?」
なんて言って、いつかの蒸し返しをしてくれたものだから、部屋中大騒ぎになってしまった。