もう、ひとりにしない。








みんながみんな、好き勝手に思うことを口にし出したので、慌てて話題を変えようとつい、


「ねぇ、ダニー・アンダーソンって人、知ってる?」


と聞いてしまった。


その言葉にみんなが静まり返り、次いで


「あんた、あの、ダニーを知らないの?!」


と奇特なものを見る目で言われてしまった。


彼女たちの情報によれば、現在、3回生の外科志望生で、イケメン、性格良し、家はボストンの名家だそうで、彼を狙っている女の子は年上も年下もありという、なんだかとんでもない人だった。


「で、なんでダニーなの?」


とジェインが鋭く突っ込みを入れてくるもんだから、みんなが調子に乗って聞いてくる。


仕方なく、今日のカードの一件を話し、レターのことも話すと 


「ええ~~~!!!」


と当然のように驚かれてしまった。


でも、それってさぁ、とつぶやいたのはグレイスで、


「もしかしたら、ダンスパーティーの申し込み、ありかもよ?」


また、とんでもないことを言うものだから、みんな騒ぎまくりで止まらない。


いい加減、おなかの空いてきているあたしは、


「もう、この話はおわり!ご飯食べに行こうよう!!」


とみんなを促した。









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