もう、ひとりにしない。








黙ってあたしが言うのを待っているヒューを見たら、きっと何もかも知っているんじゃないかって思えてしまって恥ずかしくってしょうがなかったけど、そんなヒューの態度はあたしの口を簡単に滑らせた。


「見透かされてたの!彼に!」


決まり悪くそう言えば、


「言い方ってものを知らないからな、あいつは。面食らっただろ?」


腕を組みながら、自分の頬を擦っていた。


それに頷いて、


「だから、、、、引っ叩いちゃった。」


「ええっ?!」


ヒューは目を剥くようにして驚いた。


「うっそ、、、。あいつを叩いたのか?」


「うん、だから、謝らないと。どう考えてもあたしが悪いし。」


驚きと呆れの混ざったヒューの表情は、しばらくあたしを見ていたけれど、やがてポツリと呟いた。


「謝って簡単に許してくれるとは思えないけどな、奴に限っては。」


それに関しては、あたしもうすうす感じていた。


今までの態度からして、自分に危害を加えた相手に寛容でいたところをあたしは見たことがない。


「うん、でも、このままじゃよくないでしょ?チームメイトでもあるし、きちんとしとかないと。」


そんなあたしにもっと何か言いたげな表情をヒューはしたけど、ベルが鳴ってしまったので、じゃあ、とヒューに告げて席へ戻った。








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