もう、ひとりにしない。








余程、急いで走って来たのかまだ息の整わない中、あたしを見上げる。


夕闇の迫る中、体を起こした彼は、夕日に髪が透けてとてもきれいだった。


どくんっとあたしの胸がふいに打った。


それは止まることがなくて、目の前にいるソニーを見れば見るほど激しくなっていくようだった。


「、、、、遅れて、すまない。」


顔に汗を滴らせてそれを腕で拭う。


そんな仕草ひとつにも目は釘付けにされてしまう。


首を横に振れば、手伝うから、とあたしの脇をすり抜けていく。


あわてて、彼の元へ走りより、


「あ、あの!昨日は、ごめんなさい!」


と彼に頭を下げた。


彼の動きがぴたりと止まった。


すると、今思い出したのか、急にあたしを睨みつけた。









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