もう、ひとりにしない。








彼の体から怒りが沸いてきているのがわかって、たじたじとなる。


それでも、言わなければ。


「あ、あの!いままで、ごめんなさい。ソニーだけがずっと注意していてくれたのに。なのに、た、叩いたりして、あの、」


「わかればいい。」


横を向いたままそう言う彼の姿からは、もう先ほど感じた怒りは影もなくて、かわりに、普段の彼が、ヒューたちと楽しそうにしている時の穏やかな彼がそこにいた。


「俺も、悪かったから。」




え?




あ、謝った?


き、聞き間違いではないだろうか。


「あの後、ヒューに会って、殴られた。」


、、、、、は?


目も口も開けっ放しで驚く。


「ええっ?!ヒューがあなたをな、殴ったの!?」


あんなに優しいヒューからは考えられない行為だ。


「今のところ、あいつくらいだろ?俺を殴れるのは。あ、あんたもか。」


と昨日叩いた頬をさすった。





、、、、蒸し返さないでほしい。









< 140 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop