もう、ひとりにしない。








項垂れていると、


「、、、、それでさ。僕と、、、、その、、、、付き合ってくれないかな?前から君の事、いいなって思ってて、ずっと見ていたんだよね。」




え?



それは、いわゆる、告白?


目の前にいる彼をそれこそ穴の開くほど見てしまったかもしれない。


なんだか、こんなに簡単に女の子に告ってしまうなんていうのが、イメージと全然合っていなくてびっくりというか、拍子抜けというか、予想外だったのが、こんなに人並み外れた人なのにやってることが普通で。



正直言って、期待外れな感じを受けた。


「どう、かな?」


と言ったきり握った手を離さない。


小首を傾げて、天使の微笑をあたしに向けてはいても、握り締められたその手は。


まるで、逃げられたら困るみたいな感じだ。


どう、かな?


なんて、、、、、。


いきなりそんなこと言われても返事の仕様がないじゃない、そんな気持ちあるわけじゃ、ないのに。


「あの、いきなり、そんなこと言われても、返事できません。あなたのこと何も知らないんだし。」


今日初めて会ったというのに、あたしの中ではありえない話だった。









< 146 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop