もう、ひとりにしない。
けれど、きりきりと締め上げてくる力に意識が削がれた。
「く、離して、」
喉笛混じりの声を何とか上げて精一杯抵抗したけど、尚も締め上げてくる彼に逆らえず、あたしの足は宙にうきそうだった。
「お前は俺だけ見てりゃいいんだよ。あんな男の、」
言いながら彼の唇があたしに近づく。
首を振って抵抗したいけど、酸欠で意識が遠退きそう。
「ことなんか考えてんじゃねぇよ、わかったか?」
そう、唇が触れる瞬間、
「ドガッ!!」
という音と共にダニーははじき飛んでいた。
ずざざ!!と音がして彼は廊下を転がっていった。
わき腹を押えて呻いている。
急に手が解かれて、一気に空気を吸い込んだあたしは激しく咳き込んで、体を丸めた。
「本性出したか、ばーか。」
咳をしながらも咄嗟に声のするほうを見れば、そこには、ソニーがいた。