もう、ひとりにしない。
いまだ、ソニーはあたしの肩を掴んだまま、ホステルへ向かって歩いている。
ホステルのゲートが見えて来てから、彼はぴたり、と足を止めた。
「なぁ。」
と声を掛けてきたのでふい、と顔をあげると彼は前を見たまま、
「あいつと、ほんとに付き合ってるのか?」
その声音はいつもと少し違っていて。
「ううん、友達として今は付き合っている。」
その言葉に、
「、、、、そうか。そういう奴じゃないのか。」
とまた歩き出す。
でも、と言ってしばらく経ってから、
「やっぱり、あいつは気をつけたほうがいい。今回はたまたま俺がいたから事が済んだけど。次は知らないぜ?」
じゃあ、と道を分かれて、自分のホステルへと足を向け、そのまま去ってしまった。
ゲートの中に入る前、チラリと遠ざかっていくソニーに背中を見た。
見えなくなるまで、その背中を見ていた。