もう、ひとりにしない。








あの日、ダニーに襲われそうになった日に運悪くあたしはサマンサと鉢合わせをしてしまい、サマンサだけがあの時の事を知っていた。


首の赤黒い痣を見て、慌てて自分の部屋へとあたしを連れ込み、急いで冷やしてくれた。


その時に、ダニーとのことを話し、


「ひどいことを、するのね、、、。」


そう言って眉間に皺を寄せたまま、まるで自分のことのように静かに怒っていた。


彼なんか、やめてしまったほうがいい、と言われもしたが、自分でもあんなことをされてもまだ、彼の本性を見極めきれずにいて、普段の優しいダニーを捨てきることができずにずるずると付き合っていった。


でも、それは、友達という枠を出ていないからなので、自分でもダニーがあたしの恋愛対象になることは多分ないだろう、とは薄々感じていた。


「なんだか、浮かない顔をしているのね。」


サマンサがみんなから離れたところにいるあたしのところまでやってきて、そう漏らした。









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