もう、ひとりにしない。

「さあ、掃除よね?掃除、掃除。」

長いこと手入れをしていなかったから、変に埃くさい。

掃除機を掛け、濡れた雑巾で丁寧に拭いていく。

掃除をしている時は無心になれる。

何も考えずにただ、黙々と床を拭いていく。

「まあ、これくらいでいいかな。」

しばらく、窓もドアも開けっ放しでおこう。

後始末をして、自分の部屋に入る。

すぐ目に付いたのは鏡だった。

そこへ自分の姿を映してみる。

あたし、あれから変わったかしら?

毎日忙しくてろくに手入れをしていない自分を見つけて、戸惑う。

彼はあたしだとわかるかしら?

あたしは彼を見つけられる?

、、、、何だかひどく不安になる。
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