もう、ひとりにしない。

「シャワーを浴びないと。」

なんだか考えが後ろ向きになってしまう。

疲れているからか、ろくなことを考えない。

熱いお湯を体に浴びせ掛け、ふと触ったわき腹、、、。



もう、痕なんてわからない。



彼はとても丁寧に処置をしてくれた。

しばらくは見ただけで思い出した。

戦地から離れた病室で一人目覚めて、取り残されて、、、、、。




わかってはいたけれど、わかっていたけど、どうすることもできない別れだった。
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