もう、ひとりにしない。

エアポート・パーキングに車を止めたパパとアーレンをエントランスで待って、あたし達は空港の中に入る。

アライバル・ゲート付近でアライバル・タイムを確認する。

すると、彼が乗ってくる飛行機は既に到着していた。

もう、同じ場所にいるんだ、そう思うと心臓が妙に高鳴り始める。

「ママ、どうしよう。彼、もう着いてるわ。」

不安に手が震えてしまいそうだった。

「あたし、変じゃない?どう?」

とママに聞くとにっこり笑って、大丈夫よ、と微笑んでくれた。

襟ぐりが開いていて襟と袖口とすそに白の切替が付いているネイビーブルーのワンピースに、白のパンプス。

長い黒髪はネイビーのバンダナでゆるく結んでいる。

ごく自然にでも、カジュアルになり過ぎないようにと気をつけた。

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