もう、ひとりにしない。

奥から時々わらわらと人混みが出てくる。

目を凝らして彼を探すけど、それらしい人は出てこない。

大丈夫、あたしにはわかるわ。

ブラウン・ブロンドの髪、緑の瞳。

6フィート以上ある彼を見間違えるはずはない。





、、、、、その時、見えた。





今、目の前を通り過ぎようとしている団体のなかに、ブラウン・ブロンドの髪が。

キャリーを押している、、、、、その人。



ああ、もう、目の前が滲んで見えなくなりそうだ。

でも、声を、声をかけなきゃ!
< 32 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop