もう、ひとりにしない。
「まったく、家族が多いんだから誰でも取ったらいいのに。」
そうぶつぶつ言いながら荷物と一緒に抱えて家に入った。
向こうから戻ってきて、まず始めにこの家で再び世話になり、ここから病院へ通勤し、ある程度まとまった資金を貯めてから自分の家をこのエリア内に建てた。
救急外来担当ということもあり、夜中でも平気で家を出るわたしは、当初から非常に不規則な生活を送っていた。
そのことに、この家族を付き合わせることに非常に気が引けていたし、また、家族から近いところに家を建てたほうがお互い都合がよかったのだ。