もう、ひとりにしない。


「待てよ。」

反射的に止まってしまった。

あ、あたしの足~!!なんで止まっちゃうわけ!?

そのまま、彼の方は見ずに

「あたし、一人で帰るから、みんなと一緒に帰って。」

そう言って歩き出した。

「これ、なんだかわかるか?」

言いながらチャリチャリと音をさせる。

振り返ると、彼は車のキーを持っていた。

あれはパパの車のキーじゃない。

アーレンのだ。

「なんで、持ってるの?」

いぶかしげに聞く。
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