もう、ひとりにしない。


「彼らは食事を終えて、一足先に帰ったよ。俺に車を預けてね。だから、帰りは一緒じゃないと困るんだ。」

「車の運転できるでしょ?あたしはいらないじゃない。」

そう言って、再び歩き出そうとした時、腕を取られた。

「運転はできるけど、ナビは必要だ。帰り道を知らないんだし。」

それは、そうだった。

「エリーヌ。こっちを見ろよ」

そう言われて、体を半転させられた。

彼と目が合う。

きれいな緑色の瞳。

吸い込まれてしまいそうで目を逸らす。

彼に頭のてっぺんから足先まで見詰められているのがはっきりとわかる。

苦しい。
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