もう、ひとりにしない。


そのまま、フロアに出てわたしはガーデンへ出る出口まで行った。

彼は、ここのフロアマネージャーに何かを話していた。

しばらくして、わたしの元に来た彼は、

「このガーデンの奥に東屋があるらしい。そこまで行こう。」

ガーデンを歩き始めて彼はわたしの手をとった。

、、、、、暖かい手。

彼に手を引かれる自分が恥ずかしい。

「ここは、フロアから見えないらしいから、気楽にいられるだろ?」

そういう彼はベンチに座る。

すぐ隣をとんとんと叩いて、

「おいで、エリーヌ。」

とあたしを呼ぶ。
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