もう、ひとりにしない。
「ほかにいい男が現れたんじゃ、ないのか?こんな家なんか造ったりして、ほかの奴との未来を考えたりしなかったのか?」
そう、耳元でつぶやく。
風がほほをかすめ髪を乱す。
「そういう、こともあったわ。その時、その時、真剣に考えたもの。そして、あなたを選んだの。、、、だから、いいのよ。」
そう、何度か、わたしに好意を持って接してくれる人は現れた。
それなりに、お付き合いをするまで発展した人もいた。
でも、最後にいつもちらつくのはこの男の顔だった。
最後の最後でこの男がいつも邪魔をした。
、、、、というか、忘れられなかっただけだ。
あの、ワシントンで過ごした日々が、カンボジアで過ごした日々が
そして、、、あのときの別れが忘れられなかっただけだ、、、。