もう、ひとりにしない。
そう言いながら、ベッドに腰掛ける。
「俺の荷物、着くまでにあと5日掛かるんだ。だけどかなり多いんだよね。物が。」
そう言って、再度、この部屋を見渡しながら、
「一つ、提案なんだけど、向こうの部屋を二人の寝室にしないか?あっちのほうが広いし、それでこの部屋を、二人の書斎にしたらどうだ?」
「でも書斎は下の階にあるわよ?あれじゃ、せまい?」
「うん、むこうで大量に医学書を買い込んだからあの部屋にはもう入らないと思うよ。」
それを聞いてびっくりしてしまった。
と同時に、思い出した。
彼は学生の頃から、異常に探究心の強い人だった。
医学書に関しては出費を惜しまない人だったのだ。