もう、ひとりにしない。


、、、、、これもこの人の持つ魅力のひとつなのだろうか?

モールのパーキングについて車を降り、目当ての店へと入って行った。

彼はまず、当面、生活に困らない程度の衣類を購入した。

そのあと、日用品を買い揃え、食料の調達をした。

とりあえず、一週間分あればよいし、二人だけだからたいした量にはならないと、高をくくっていたのに、だいぶ買い込んでしまった。

なにより、二人でする買い物がこんなに楽しいなんて思いもよらなかった。

なんだかまるで、

「結婚したばかりのカップルみたいだな。」

そう言う、彼の顔を穴の開くほど見つめてしまった。

「え?」

驚いたあたしを見て彼はにやり、と返し、

「いつか、そうなるんだろうな。」

なんて言って、あたしのほほにキスした。
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