もう、ひとりにしない。
すぐそこまでなんだから、自分で運転すると言ったのに、何の心配したのか彼が運転をしてくれて、ガレージに車を入れる。
家の中に入り、戸締りを確認して、彼は再びシャワーを浴びにバスルームへ、あたしはキッチンへ行ってジョグに水を入れグラスと一緒に上へとあがる。
水を零さないようにゆっくりと階段を上がっていく。
さっきから、変に落ち着かない。
これから起こることを考えただけで、体中が疼いてしまう。
部屋には既に彼がいて、窓辺で煙草を吸っていた。
窓の外を眺めながら、のんびりと煙草を吸う彼がちらりとあたしを見る。
ゾクリ。
昔の、彼を思い出す。
「あ、あたしも、シャワー、浴びてくるわね。」
と、逃げるように着替えを持って部屋を出た。
なんだっていうの、あのひと。
ちっとも昔と変わってないじゃない。
あの、突き刺すような視線は昔、嫌と言うほど浴びせられた。
だから、、、、、。
簡単に、あの時の気持ちが蘇ってしまった。
「はぁ。」
疼く気持ちを振り払いたくて、乱雑に服を脱ぐ。
脱ぎながら、髪の毛がまだ乾ききっていない彼を思い出す。
少し艶めかしくて、目を合わせられなかった。