もう、ひとりにしない。





性急に繰り返されるキスは、もうこれ以上押え切れないと言う彼の気持ちを現していた。

足早に吸い付かれ、舌を入れられて彼はあたしを探していた。

、、、、そう、探していた。


むかしのあたしなのか、それとも今のあたしなのか。


「ん」

いつのまにか、首筋を這っている舌に声がでた。

執拗に舐めてくる舌は、昔を覚えていた。

「感じるだろ?」

そう言いながら、乳房の突端をいじってくる。

「、、、、あ」


そう。


彼は覚えていた。


たいした数じゃなかったはずだ。

彼とあたしが肌を重ねたのは。

でも、

耳をいじられ、乳房を吸い上げてくる彼を見てわかった。



全部、覚えているんだ、このひと。




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